NEO SEO

〈Raid Team of the Dragon Queen〉では、GSPKの4人のメンバーが順番に歌声を聴かせます。NEO SEOがこの曲で確かめたかったのは、ゲームのキャラクターをつくるように、一人ひとりの声にもはっきりとした個性を持たせられるかどうかでした。

この曲は、GSPKを初めて知る人にまず聴いてほしい1曲でもあります。GSPKはMurekaで生まれ、現在まで少しずつ発展してきたバーチャルグループです。グループを手がけるNEO SEOは、韓国で活動するフリーランスのプロダクトデザイナー。長年にわたり、実際に製品化される小型家電をデザインしてきました。インタビューでは、47歳だと話しています。

AIに触れたことをきっかけに、彼は音楽を新しい創作分野として意識するようになりました。Murekaで曲をつくり、その曲に合うキャラクターや映像を考えるなかで、これまでのプロダクトデザインの経験も新しい形で生かされています。

アイドル音楽から始まった新しい挑戦

最近はプロダクトデザインの仕事が以前より減り、NEO SEOには音楽制作に使える時間が少し増えました。歌とダンスが好きで、アイドル歌手を目指している娘とは、アイドル音楽を一緒に聴いたり、好きな曲について話したりしています。娘の夢も、彼が音楽に関心を持つきっかけの一つになったそうです。本人は以前からヒップホップをよく聴いており、普段はYouTubeで科学やデザイン、新しい技術に関する動画を見ることも多いそうです。ハンドドリップコーヒーを淹れるのも趣味の一つです。

Murekaで最初に試したかったのは、アイドル音楽でした。自分が慣れ親しんできたヒップホップを土台に、「ヒップホップとアイドル音楽を組み合わせたらどうなるだろう」「R&Bのグループならどんな音になるだろう」と、順番に試していきました。

「私はプロのミュージシャンではありませんが、Murekaを通して、頭の中にあった考えや物語を音楽で表現する楽しさを知りました」と、彼は話します。

さまざまなジャンルを試すうちに、自分がどんな音楽を好きなのかも少しずつ見えてきました。同じアイデアでも、スタイルを変えるだけでまったく違う曲になります。いくつもの結果を聴き比べることで、自分が惹かれる音や雰囲気を発見していきました。

GSPKはMurekaで生まれた

GSPK characters

制作を続けるうちに、NEO SEOの関心は「1曲を完成させること」から「バーチャルアーティストをつくること」へと広がっていきました。曲が変わってもキャラクターの声を保てるか、声とビジュアルを通して同じ人物だと感じてもらえるか。それが新たなテーマになったのです。

彼は〈Typing…〉という曲をつくり、バーチャルなフィーチャリングも構想しました。その後は、1曲の中に異なる声を登場させるリレーラップにも積極的に取り組むようになります。GSPKも、Murekaを使い始めてから生まれ、プラットフォーム上で少しずつ育ててきたグループです。もともと完成していた企画を、あとからMurekaに持ち込んだわけではありません。

GSPKは、ヒップホップをベースにした4人組のバーチャルグループです。それぞれの性格や外見、ファッションには、NEO SEO自身と友人たちの特徴が織り込まれています。

  • YUN:主に服装やファッションスタイルを通して個性を表現しています。

  • SEO:NEO SEOのペルソナ。以前の彼の服装や、名前にまつわる特徴が反映されています。

  • CHAN:より攻撃的なボーカルスタイルで個性を表現しています。

  • GANG:男性らしい雰囲気や特徴を強調したキャラクターです。

メンバーの名前には、モデルとなった本人や友人の名前から取ったハングルを一文字ずつ使っています。親しい友人なら気づくかもしれませんが、一般のリスナーにはすぐには分からない、小さな手がかりです。

これらは実際の写真ではなく、声や外見などの特徴を組み合わせてGPTで生成したキャラクター画像です。韓国風の魅力的な男性4人として描きつつ、親しみやすさが残るよう、理想的な美形に寄せすぎないようにしています。

「完璧に近づけるほど、見た目にはかえって人工的な印象が出ると思っています。だから、少し違いがあっても、それぞれの特徴を生かしたいと考えました」と、彼は語ります。

GSPKで特に難しいのは、曲が変わっても各メンバーの声やビジュアルの一貫性を保つことです。最近はキャラクターや映像の制作にも、より力を入れています。彼にとって、ビジュアルは音楽と同じくらい大切な要素です。

プロダクトデザインの経験は音楽制作にどう生きているのか

NEO SEOにとって、プロダクトデザインの経験が音楽制作に最も直接的に役立っているのは、1つのコンセプトを視覚的な表現へと広げる力です。製品をデザインするとき、彼は1つのアイデアを形や色、素材、イメージへと具体化していきます。音楽をつくるときも、まず曲の雰囲気や物語を考え、そこからジャケット、キャラクター、衣装、映像のシーンへと展開していきます。

「私にとって音楽とビジュアルは別々の作業というより、1つのコンセプトを異なる方法で表現することに近いですね」と、彼は話します。

彼の制作は、一度で完成するものではありません。アイデアを出し、関連性を探し、いくつかの方向を試し、結果を見てからまた修正する。その積み重ねによって、作品の個性を具体的な形にしていきます。

GPTは多くの可能性をすばやく探るための助けになりますが、核となるアイデアと最後の選択は人が担うものだと、彼は考えています。本人の言葉を借りれば、「デザイン面では私がこだわり、音楽面ではAIがこだわっているような感じ」です。

プロンプトと歌詞を1度入力するだけで曲が完成することは、彼にとってほとんどありません。Murekaでの経験がプロダクトデザインの方法そのものを大きく変えたと言うには、まだ早いと考えています。ただ、1つのアイデアをいくつもの方法で素早く試し、予想外の結果の中から新しい可能性を見つけることには、以前より慣れてきたそうです。

予想外の結果が新しいキャラクターになるとき

NEO SEOは男性グループの曲をつくる中で、思いがけず魅力的な女性ボーカルが生成されることがあったと話します。彼はそうした結果をすぐに捨てず、キャラクターの構成を考え直しました。こうして、多くの女性キャラクターが生まれています。

当初の想定より長く生成された曲もありましたが、聴いていて退屈に感じなければ、曲全体をそのまま使うこともあります。

曲に魅力があれば、キャラクターの構成を考え直して、その曲をそのまま生かすこともあるといいます。

彼は、生成結果が当初の計画と違っていても、それだけを理由に捨てることはありません。修正が必要な場合もあれば、予想外の結果が最初の構想を変え、次の制作の出発点になる場合もあります。

おすすめの3曲と映像表現の一例

Raid Team of the Dragon Queen
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「ゲームのキャラクターをつくるように、4人の声の個性を際立たせられるだろうか」という問いから生まれた曲です。4人がリレー形式で歌う構成によって、1曲の中でそれぞれの違いを聴き取ることができます。

Zombits
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NEO SEOは、この曲について、テーマと表現が結びついた作品だと話します。曲のテーマを音楽表現までつなげて考える、彼の創作姿勢がうかがえます。

Thank You…
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最近Murekaで創作を続けるなかで感じた感謝を表現した曲で、現在進めているソロ作品の方向性も見えてきます。グループ作品が異なる声の関係を描くのに対し、ソロ曲では1人のキャラクターの声や感情、物語をより集中的に表現できます。

映像で作品を表現した例として、NEO SEOは〈BREAK TIME〉も共有してくれました。

Murekaで聴く:https://www.mureka.ai/song-detail/5E6m6bQtzWbaXCfeZVoTkz?is_from_share=1

Mureka 9.5のアップデート後、彼はさらに多様なジャンルの組み合わせにも挑戦しています。GSPKは今も大切に育てているプロジェクトですが、特定のグループや1つのジャンルに自分を限定したいとは考えていません。

複数の曲でつながるストーリー

NEO SEOの最近の作品には、実際の経験や個人的な感情、フィクションが一緒に込められていることが多くあります。V9.5 ラップマスターチャレンジに応募した曲にも、自分の体験や個人的な物語を歌詞に取り入れました。

これらの作品には、1度聴いただけでは気づきにくいつながりもあります。彼は、応募した順番に沿って曲の内容が続いていくように構成しました。プレイリストを下から上へとさかのぼって聴くと、歌詞に込めたストーリーが見えてきます。

アイドルグループのメンバーになった自分を想像したことがあるかと尋ねると、彼はそう考えたことはなかったものの、今回のV9.5 ラップマスターチャレンジでは、作品の中で自分自身が前に出るような形で応募したと答えました。キャラクターや映像をつくってきた経験が、こうした表現にも役立ったそうです。

アップロードとフィードバックが創作を続ける力に

NEO SEOはYouTubeに動画を予約投稿し、できるだけ毎日新しい作品を公開しながら、視聴者の反応を見ています。作品を発表し、反応を受け取るという音楽のサイクルを、間接的に体験できる場でもあります。

Murekaでも、最初は自分の曲をつくって投稿することに集中していました。次第にほかのクリエイターの曲を聴き、コメントを交わすようになり、これまで試してこなかったジャンルや表現にも触れるようになりました。同じAI音楽ツールを使っていても、一人ひとりがまったく違う結果を生み出すことを面白いと感じています。

自分が意図した部分を誰かが正確に受け取ってくれると、その方向をさらに伸ばしたくなります。反対に、予想していなかった部分への反応から新しいアイデアを得ることもあります。最近では、お互いの新曲を待ち、感想を分かち合うクリエイター仲間もできました。こうした交流が、音楽をつくり続け、新しいことに挑戦する原動力になっています。

「今の私にとって、Murekaは実験室と遊び場が混ざったような場所に一番近いですね」と、彼は話します。

ここでは、新しいジャンルや声、キャラクターやグループを自由に試せます。答えを先に決めなくてもよく、予想外の結果そのものを楽しむこともできます。今後は、曲全体を使ったフルバージョンのMVをつくってみたいと考えています。また、複数のメンバーの声をそれぞれ指定し、曲が変わってもグループの声やキャラクターの一貫性を、より簡単に保てるようになればと期待しています。

自分がもっとMurekaを使いこなせるようになれば、いつかはスタジオのように使えるかもしれない。そんな期待も彼は口にしました。NEO SEOの音楽制作は、今も続いています。アイデアを曲にし、聴き、手を加える。その過程で、次の曲へつながる手がかりを見つけていきます。

NEO SEOの作品を聴く


Mureka Creator Spotlightでは、継続して創作に取り組み、確かな個性と独自の制作スタイルを持つミュージシャン、プロデューサー、そして分野を越えて活動するクリエイターのストーリーを募集しています。自身の作品を発表している方、長期的な音楽プロジェクトを進めている方、AIと音楽を組み合わせる新しい方法を探っている方など、創作に対する考え方や制作過程、作品の背景にあるストーリーをぜひ聞かせてください。応募は mureka.aimusic@gmail.com まで、またはDiscordでMureka公式運営スタッフの @lenko_z までご連絡ください。あなたの創作の歩みが、次回のSpotlightで紹介されるかもしれません。